離婚して幸せになった人たち
いまや「離婚」という事象は珍しいことではありません。
「バツイチ」などという言葉も当たり前のように使用され、離婚したからと
いって社会的立場が悪くなる、肩身の狭い思いをするという気兼ねもなくなり
つつあるように思います。
しかしながら、特に女性の場合は離婚を考えたときに、自身での収入を確保できて
いる状況なら残る問題は親権問題、財産分与などといったことになりますが、
お子様を抱えた上で現在、専業主婦、あるいはパートなどで一定の所得が確保できて
いない上、もし離婚となれば今後の生活のために働かなくてはならない、などと
経済的な問題が念頭にあって離婚を躊躇してしまうのも仕方ありません。
離婚を勧めるわけではありませんが、ある程度「離婚」の意思が固まっていて、
また話が進んでいて離婚せざる状況に近い方たちへ、少しでも離婚に関する心構えを
知っていただけたらと思います。
そして離婚後の不安を軽減していただけると幸いです。
■離婚をきめたらまずやること
離婚の手続きがスムーズに進む、金銭の話がすぐにまとまる。と、いったケースは
稀です。一般的に【離婚は結婚の時の何倍もの労力と精神力が必要になる】といわれて
います。面倒な手続きもたくさんあります。
離婚を切り出す前に自分でできる範囲での準備と心構えをして、自分にとってなるべく
有利な離婚をしましょう。
①離婚を成立させるための費用を見積もる
調停・裁判・弁護士・行政書士・公証人への支払いなど
②離婚後のための資金を確保する
夫婦共有財産以外の金銭(結婚前の自分の貯蓄・自分の親からの遺産、相続金など)は
自己名義の口座に移しておくこと。
また離婚を切り出す前に、ある程度期間をおき、家計のやりくり、パートなどでもいい
ので仕事に出て貯蓄をしておきことが必要です。
離婚後は精神的にも体力的にも疲労してしまいます。
お子様を含めてなのか、自分だけなのかでも大きくかわってきますが離婚後の
半年~1年先までの生活費くらいを持って離婚するのが望ましいと思います。
③共有財産を把握し、書類等の準備
自動車・預貯金・不動産の登記簿謄本・夫の源泉徴収票・各種保険証券・有価証券・
年金手帳など。
またローンや借財も財産扱いとなるので明細や契約書など
④夫に請求するお金の把握
慰謝料・養育費・財産分与・年金の分割分・退職金など
⑤離婚してすぐの新生活のための費用
引越し代金・住宅入居費用・生活必需品(家具・電化製品など)の購入費用
■離婚がきまったら
離婚が決まったときの決め事を記載している【離婚協議書」の他に【公正証書】の
作成をおすすめします。
もちろん費用はかかりますが請求する金額に対して下記のようになります。
目的価額 手数料
100万円まで 5,000円
200万円まで 7,000円
500万円まで 11,000円
1,000万円まで 17,000円
3,000万円まで 23,000円
一般的な価額として上記の手数料(金額に上限はありません。一部掲載)となります。
これは法令によって定められた金額ですので、どこの公証役場で手続きしても同一です。
【公正証書】は「離婚協議書」と違って法的な強制執行力が発生します。
万が一、養育費や慰謝料が支払われなかった場合には、この【公証証書】により相手の
財産や給料の差し押さえが可能になります。
作成の際には請求する項目によって必要な書類がありますので、事前に確認してから
手続きにいきましょう。
■公的援助の活用
①児童扶養手当(国の制度)
離婚・死亡などによって父と同一生計でない児童への手当てを支給する制度
(金額は所得・児童の人数によって計算)
②就学援助(各教育委員会)
義務教育課程の小中学生に対し給食費、学用品費、修学旅行費などの一部支援
③生活保護
最低限度の生活ができない場合に国が定める基準の最低生活費に満たない場合は
差額を支給
■再就職
すべてが片付いて、少し新しい生活が落ち着き始めたら仕事を探しましょう。
何より一家の「大黒柱」となるのですから、やはり理想は正社員雇用だと思います。
これは結婚前にしていた仕事に復職できるのが一番ですし、やはり資格職ですと
有利になると思います。
可能な場合には離婚前に再就職の準備をすすめてもいいと思います。
お子様がいらっしゃる場合には預け先(幼稚園・保育所)の確保も必要ですね。
いまはシングルマザー・シングルファザーも珍しくありません。
社会には、離婚してひとりでも子供を立派に育てながら働いている方は多くいます。
ですが、その方たちも今、悩んでいるあなたのように面倒な手続きや話し合いを
乗り越えてがんばっているのです。
離婚後のことを充分に考えて、万全な準備と心構えをして乗り越えてもらいたいと
思います。
あなたの今後の生活は心機一転、楽しく幸せなものになって欲しいと願っています。